うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.9 crust(クラスト)
料理を盛り付けるだけではなく、道具として使える深山のうつわ。
深山食器店・うつわリポートのシリーズ連載、「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」と題して、ご紹介していきたいと思います。
第8回目は、crust(クラスト)です。
美味しいものを、美味しいうちに。食べ終えるまで、トーストのサクサク感をキープできるトースト専用のうつわとして誕生したcrust(クラスト)。今でこそ「〇〇専用のうつわ」は多く存在していますが、当時はほとんど見当たらず画期的な製品として注目を浴びました。
トーストをサクサクのまま食べたい!というスタッフの願いから誕生したうつわ
crust(クラスト)を開発した当時の担当者は、大のパン好きさんだったそうです。
毎朝食べるものは必ずトーストと決めており、サクサク食感が好みだったんだとか。しかし、どんなに美味しい食パンを買ってきても、トースターから取り出していざ食べようとすると、なんかサクサク食感が激減してる…。
魚網み器の上に置いてみたり、キッチンペーパーを敷いてみたり、いろんな工夫をしてみたのですが、それでもトーストのサクサク食感をキープする事ができません。
「じゃあもう、私が作るしかないじゃん…!」
と、言ったかどうかはさておき、トーストをサクサクのまま食べたいという自分の願望を満たすためにcrust(クラスト)の開発に着手したんだそうです。
実はこの担当者さん、自分で図面も引けるし原型も作れるし、なんなら型も作れるという方だったので、仕事の空き時間を使ってコツコツと進めて、ほぼ完成品をいきなり会議の場に提出したんだとか(笑)。
トーストのサクサク感をキープできないのは水分があるからだ、というのはわかっていたので、その水分をどうやって逃がすか考えた結果、プレートのトーストを置く面に突起をつける事にしたのでした。
何度も試行錯誤を繰り返した結果、ついに食べ終えるまでトーストが完璧なまでにサクサク食感である事を実現。満を持して会議にて提案したところ、「うーん、すごいけど…マニアック過ぎない?」との意見が。
そうなのです。
当時まだ一般的な食器を製造していた深山では、このような「便利なうつわ」「道具として使えるうつわ」が存在しておらず、「トーストが好きな人しか買ってくれないんじゃないの?」という心配があったのですね。
でも当時のcrust(クラスト)開発担当者はめげる事なく、何度も何度も提案し、ついに製品化にこぎつけたのでした。トーストに対する執念がすごい(笑)。
蓋を開けてみたらcrust(クラスト)はトースト専用という物珍しさもあり、予想以上のご注文を頂き現在においても深山のベストセラー商品として売上上位に君臨しております。
サクサク感をキープする秘密は…?
さて、crust(クラスト)を使うとなぜトーストがサクサク食感のままなのか。
先にも書きましたが、トーストを置く面に突起がついているからです。この突起部分=レリーフがトーストを浮かせることで、トーストとお皿との間に隙間ができます。そこに水蒸気が逃がれるので、トーストの裏面をベトつかせない…という構造なんですね。
トーストの表面(上)はサクサクなのに、なんか裏面(下)はベチャベチャしてるんだよなあ、という方がいたら、一度使ってみてください。思っているよりもサクサクでビックリしちゃいますよ。
私も毎朝トーストを食べていますが、そこまでこだわっている訳でもないけれど、どちらかと言えばサクサク派です。そういえばしっとりするのが嫌で、焼き上がったあとにしばらくトースターに放置したり、焼き立てクッキーを冷やすような網?の上に置いたり工夫した事をふと思い出しました。
あれ?これってcrust(クラスト)があれば解決じゃん、と気づき早速社内購入した次第です。
↑詳しいエピソードはこちらをお読みください
シンプルなドット柄、キュートな枝柄
crust(クラスト)のパン皿は、ドット柄と枝柄の2種類がございます。
どちらもまんべんなく人気がありますが、枝柄のほうがちょっとだけドット柄よりもご注文数が多いかな?トーストのサクサク食感をキープする点においては、どちらの柄でも遜色ないのでご安心ください。
また、アイボリーと飴釉の2色をご用意しておりますので、お好きなカラーを選んでくださいね。
トーストには欠かせない、バターとジャムのうつわもあります
crust(クラスト)シリーズにはパン皿だけではなく、トーストにはかかせないジャムやバターを入れるためのうつわもあります。ジャムカップにはジャムはもちろん、マーマレードやはちみつを入れても使える程よい深さがあるカップです。そんなジャムカップの蓋にもなるのがバターディッシュ。単品使いでバターをのせる小皿にしてもよいですし、ジャムカップとセットで蓋にして使ってもよいですよ。
色替えすると一気に雰囲気が変わります
今年の新春見本市にてお披露目した、春色カラーのcrust(クラスト)のパン皿です。新色の釉薬のカラーをお見せするために作成したサンプルなのですが、いつものcrust(クラスト)パン皿が急に春らしく、可愛いらしい色合いとなったので、多くのお客様の目を引く結果となりました~。
そして、ありがたい事にOEMでのご注文も多く頂いております。最近では、可愛いんだけど可愛いだけではなく便利な食器、というものが人気があるんだそうで。道具として使えるうつわ、crust(クラスト)にも再び注目が集まっているんですよ。
おうちで実現!トーストさくさく、モーニング。
深山があるここ岐阜県瑞浪市では、喫茶店でモーニングという食文化が根付いております。
コーヒーを注文すると、トーストやサラダ、タマゴなどがついてくる…というのがいわゆるモーニングなんですけれども、最近ではトーストも普通のトーストではなく、厚みがあったり、小倉トーストだったりと凝っているものが増えてきてるんです。
という訳で、crust(クラスト)を使っておうちで喫茶店のモーニングを再現してみました~。厚切りトーストにはあんことバターをたっぷりとのせて、小倉トーストです。こんなの、美味しいに決まってる。
1日の始まり、朝食はとっても大切です。そんな朝食をお気に入りのうつわで、美味しく食べるお手伝いをcrust(クラスト)はしてくれますよ。
シリーズ連載「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」について
深山では日々、様々なうつわを製造しております。うつわと言えば、多くの方が料理を盛り付ける食器を主に思い浮かべることでしょう。ですが、深山のうつわの中には食器のようであって食器ではない、道具としてのうつわが数多く存在しています。
料理を盛り付ける以外の使い道がある事で、日々の暮らしが「ちょっと」楽しくなります。
いつまでも使い続けたい生活道具としてのうつわ、私たちの日常生活に溶け込むうつわ。そんな深山のうつわを、「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」シリーズとしてご紹介していきたいと思います。
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岐阜県瑞浪市。三市からなる美濃焼産地の中でも磁器、特に白磁の製造に特化したこの地区に深山はあります。
昭和中後期、世界の工場として欧米の洋食器ブランドの依頼に対し上質な白磁の洋食器を供給した時代に培われたものづくりの基礎。
私たちは、それら受け継いだものを基に、現代の暮らしに寄り添った丁寧な道具としての器を作っています。
製造や製品、使い勝手に関するお問い合わせなどございましたらお気軽にお問い合わせください。
Mizunami City, Gifu Prefecture.
Miyama is located in the Minoyaki producing area consists of three cities where porcelain, especially white porcelain is produced.
Foundation of manufacturing that was fostered during the middle and late period of Showa era when western style white porcelain tableware was provided, having received orders from the European and American tableware brand companies.
We are producing tableware as a gracious tool suitable for contemporary life associated with what we have inherited.
Please feel free to make inquiries to us about production, products and usability.