2024年12月

2024年12月の記事

おうごんのしょっき

おうごんのしょっき(2024年12月16日)

おうごんのしょっき

早いもので、今年もあと半月ほどとなりました。年明けすぐに美濃焼新春見本市があるので、この半月ほどしか準備をする期間がありません。超ギリギリ。
実は、できれば新春見本市に出したい釉薬のカラーがありました。それが、こちら。

おうごんのしょっき!(あつ森)

そうなのです。うまいこと焼けると、金色に輝く特別な釉薬を新春見本市のために釉薬屋さんにお願いしていたのでした。

おうごんのしょっき

画像よりも実物のほうがもっとギンギラギンに輝いています。新春見本市に出す「銀狼」という黒く輝く釉薬があるのですが、それと一緒に「金狼」として出すつもりだったのです。でもねえ、これがめちゃめちゃ厄介な釉薬でして。まず他の釉薬に比べて施釉時に肌とか布とかにつくと、ちっとも落ちません。めちゃめちゃ汚れる。たいていの釉薬は水で洗い流せば綺麗になるんですけど、施釉担当者が「え~」って嫌がるほど厄介な釉薬なんです。取り扱いが難しいんですね。
そして、窯入れするときにも注意しなければいけないことが山ほどあって、すっごい気を遣うのです。温度とか位置とかが少しでも狂うと金色にはなりません。

おうごんのしょっき

まったく同じ日同じ時刻に、同じように施釉して同じ位置に窯入れしたのに金色にはならなかったのがこちら。なんだかくすぶった色をしています。これはこれで味があるのですが、金色のうつわとして紹介しているのにこれが出てきたらお客さんも「え…っ」て思っちゃいますよねえ。
なので、残念ですが新春見本市には間に合わず、いったんお蔵入りさせることにしました。新春見本市が終わったあとに時間ができたら、金色に焼き上げるコツなどを検証して安定するよう研究したいな、って思ってます。そしたら製品化できるかも。
早くも2025年の目標ができました(笑)。

余談ですが、金狼はもちろん「蘇える金狼」から、銀狼は「銀狼怪奇ファイル」から釉薬名を頂いております。覚えやすくていいでしょ。

商品戦略室
渡辺

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