丸重製紙さんに工場見学に行ってきました・01(2023年1月31日)
深山がある岐阜県の美濃市において(※深山は瑞浪市です)、美濃和紙を製造している美濃和紙メーカー・丸重製紙さんに工場見学という形でお伺いしてきました。深山は美濃焼のメーカーなのに、なぜ和紙?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが…。
実は、美濃焼と美濃和紙にはつながりがあるのです。もっと厳密にいうと、「深山で製造している」美濃焼と美濃和紙ですね。
深山では絵付けの工程において、銅版転写を使用しているのですが、この銅版転写に実は美濃和紙が使用されています。和紙は伸縮性があるのでカップやカーブを描いているお皿などの面にも模様を綺麗に写すことができます。
銅版転写の紙に美濃和紙が使われているのは知っていましたが、間接的に深山と丸重製紙さんはつながりがあったのね…という事が判明したのが、去年深山が参加したGIFUクラフト。
こちらで丸重製紙さんとご縁ができ、今回の工場見学へとつながったのでした!
同業者である陶磁器メーカーの工場見学は何度か訪れた事がありますが、製紙工場の見学は初めてなのでワクワクします!
こちらはご存知の方も多いと思いますが、紙を作る際の原料となるパルプです。画像ではわかりにくいのですが、大きな板のようになっています。深山で使っている土も、最初はこんな感じで板のような状態で入荷されるので、似ているなあと思いながら見学。
パルプにもいろんな種類があるのですが、ここで詳しくその違いを教えて頂きました。木材では針葉樹と広葉樹という大きな分類があるのですが、じっくりと見てみるとその違いがハッキリとわかります!
針葉樹のほうは繊維が長く、広葉樹のほうは繊維が短いのです。ゆえに、丈夫な紙を作りたいとか、上質な紙を作りたいなど、目的に沿って原料を変える必要があるんだそう。
美濃焼と通じる部分が多すぎる…。深山でも、各工場や工程によって土を使い分けております。作るうつわにより、最適な土を選んでいるからなのです。丸重製紙さんではパルプ以外にも靭皮繊維などさまざまな原料を取り扱っています。
ちなみに。
和紙の原料と言えば、楮(こうぞ)なんじゃないの?と私も思っていたのですが、昔に比べて和紙の生産量が減少するとともに、原料の生産高も減ってしまったことから、昔ながらの原料以外のものを各メーカーも取り入れはじめたのではないかな…と推測します。他にも和紙の原料としては、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)も知られていますよね。
ホーレンダー(ホランダー)ビーターという機械。
ここでは主にパルプの叩解などが行われます。そのほか、加温(蒸気)、薬品添加、染色、洗浄(ウォッシャー機能付き)にも使用。
水分を吸ってもこもこになっています。カワイイ。
もうひとつ、なぎなたビーターという機械があって、中を覗かせて頂いたのですが文字通り、するどいなぎなたがついていました。そちらは靭皮繊維(楮・雁皮・三椏・サラゴなど)や麻(原麻)の叩解に使うとのことで、原材料によって使い分けているんですね。
美濃和紙ができるまで、という流れに沿って工場をご案内頂いているので、和紙にあまり詳しくない私でも流れを追って説明を聞く事ができてありがたいです。もこもこがより一層、もこもこになっています。
ここ、ずーっと見てても全然飽きなくて、本当に楽しかったです。無心になれます。
原料(もこもこ)は水の流れに乗って、次の工程へ…。
叩解した後の原料は、調節箱(たね箱)からリフラーを通って、フラットスクリーンに流し込まれ除塵されます。
手すき和紙でいうところの、「塵取り」の工程にあたるそうです。ゴミや原料の塊などがここで取り除かれるので、より品質のよい美濃和紙が生まれるという訳です。
工場見学レポート、今回はここまで。まだまだ続きます。
商品戦略室
渡辺
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