2023年10月

2023年10月の記事

海鼠釉(なまこゆう)の難しさ

海鼠釉(なまこゆう)の難しさ(2023年10月17日)

海鼠釉(なまこゆう)の難しさ
深山では毎日、いろんな色の釉薬を素焼きに施して窯を焚いております。いわゆるカラー釉なのですが、ほぼ毎日使うくらい定番のカラーもあれば、数カ月に一度くらいの割合でしか使わないカラーまで様々です。
こちらの深い紺色のような釉薬。一般的に海鼠釉(なまこゆう)と言われているものです。その色合いが海鼠(なまこ)に似ている事から名付けられたそうですが、青や藍を主に白い斑点などが見受けられる釉薬のことを幅広く差すようです。

海鼠釉(なまこゆう)の難しさ
なんだか、デニムのような風合いもありますね。
よく見ると、うつわの端っこやレリーフが際立つ箇所は色が少し焦げているような茶色に見えます。デコボコしている部分も、色がちょっと薄く感じたり逆に濃く感じたり…。均等に色がついている訳ではなく、濃淡があるように見えるのですが、これは決して施釉を失敗したわけではなく、海鼠釉こういう特性をもともと持っている釉薬だからなのです。

海鼠釉(なまこゆう)の難しさ
同じ海鼠釉のアイテムですが、焼き上げる温度や釉薬の濃度、施釉するうつわの形状、季節や天気によっても微妙に異なります。こちらの画像では、左側のカップ&ソーサーはちょっと寒い季節に、右の酒器は暑い季節に焼いたものです。同じ海鼠釉でもこれくらい印象が異なります。不思議ですよね。

海鼠釉(なまこゆう)の難しさ
多くのお客様にはこの海鼠釉の色合いの特性をご理解いただいた上でご注文を頂いているのですが、やはりできるだけ色の雰囲気を合わせたいという事で、深山でも毎日窯とにらめっこをしつつ、色が安定するような工夫をしています。
釉薬の調合を微妙に調節したり、窯の中の置く位置を変えてみたり…。
それでも、焼き物はやっぱり窯から出てくるその瞬間まで、どんな顔をしているのかは誰にもわかりません。
出来るだけロット内の色を合わせたり、セット商品の場合は同じ色になるように組み合わせて出荷はしているのですが、海鼠釉の特性をご理解いただいた上で、お気に入りの1枚を見つけて貰えたら嬉しいなあ、と思っています。

商品戦略室
渡辺

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