石膏型(2024年11月27日)
深山の特徴のひとつに「石膏型で鋳込み成形をする」というものがあります。同じ美濃焼の産地でも、例えば深山がある瑞浪市の隣にある土岐市では機械による成形がほとんどだったりするのですが(なので大きな陶磁器の工場がいっぱいある)、深山では鋳込み成形を職人の手作業により行うという手法でずっとうつわを作り続けてきました。
瑞浪市はもともと洋食器の製造が盛んな地域だったので、ディナーセットの中のひとつである楕円形のお皿をつくる際に、機械による成形では楕円形のお皿をつくることが難しく、それなら…と鋳込み成形を始めたのがきっかけです。
鋳込み成形は手作業によるものなので、正直手間はかかるし時間もかかるし、機械に比べるとやっぱり1日に作れる量もグッと減ってしまうのですが、その代わりに丸いうつわだけではなく、様々な形のうつわを作り出すことができるのです。それがまた、深山の特徴だったりもするのですが。
画像は山岡工場の型置き場。ひとつのうつわにつき、大きさにもよりますが常時10個前後の型を準備しております。なので、型の置き場所にも一苦労です。
使用していくたびに少しずつすり減っていってしまうので、この型は永遠に使えるわけではなく、ある程度使ったところで償却となります。使い終わるその日まで、大切に保管しているのです。中にはすでにカタログからは落ちてしまった廃盤商品の型もあったりして。たまにこのあたりをウロウロしていると、懐かしいうつわの型にバッタリ出会えるので結構楽しいです。
商品戦略室
渡辺
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