白窯変(しろようへん)、お前もか…orz(2023年11月7日)
11月に入りましたが、日中は夏かな?と思うくらい暑いのに、朝晩は急激に冷え込んだりと気温が全く安定しません。
以前、海鼠釉(なまこゆう)の難しさという記事でもお伝えしましたが、こういう季節の変わり目はなかなか窯変釉が安定しなくて困ります。窯から取り出すまで、ずっとドキドキしていないといけないのです。
こちら、白窯変(しろようへん)という釉薬を施したマグカップです。一見、綺麗に仕上がっているように見えるのですが…。
ご覧ください。
あれれ?こういうデザインだったのかな???
…というくらい、見事に釉薬がハゲてしまっております。左側が綺麗に釉薬がのった状態で、右側が失敗です。これまでにも、フチだけ少しハゲちゃう、みたいな事はたまにあったのですが、ここまでハゲてしまったのは初めてだったので思わず記録用に写真を撮ってみました。
でもまあ、窯から出てきて2個くらいだったのでまだよかったです。全部コレだったら泣ける…。
中はこんな感じでキレイに仕上がっています。それだけに勿体ない!
白窯変は文字通り、白っぽい窯変釉という事になるのですが、深山の場合はその中に原料由来の黒いツブツブが入っている釉薬を指しております。どこか和食器っぽいような、でも北欧風でもあるような、不思議なニュアンスのある釉薬なのです。
検品していると「中はこんなに綺麗なのにな~」とか、逆に「外側がいい感じに焼けているのにな~」とか、いろいろ思うところはあるのですが…。深山の製品の品質を維持するためにも、心を鬼にして検品で弾きます。
でも勿体ないので、会社で使う自分用のマグカップにおさがりしました。製品としては出荷できませんが、なんだか蜂蜜かミルクがとろりとこぼれているようでカワイイなあ、と思いまして。
白窯変はもともと白いので、色の濃淡で差が出る事はあまりないように感じます。その代わり、季節の変わり目…気温差が激しい時期になると、釉薬がうまく素焼きに定着しないというか、ハゲが目立つ事が多いかな。
釉薬の濃度を調整したり、窯入れする日を少しズラしたりして対処していきます。海鼠釉(なまこゆう)がよくなったと思ったら、今度は白窯変(しろようへん)の調子が悪い。まあ、よくある事です(笑)。こればっかりは仕方ありません。
毎日窯とちゃんと向き合って、少しずつ調整していくしかないのです。
商品戦略室
渡辺
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