うつわリポート

深山の開発担当者による、うつわ深堀り解説。普段は何気なく手に取るうつわにも、実はたくさんの技術やこだわりが詰め込まれています。もっとうつわのことが好きになったり、知りたくなったりするきっかけになればうれしいです。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

料理を盛り付けるだけではなく、道具として使える深山のうつわ。
深山食器店・うつわリポートのシリーズ連載、「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」と題して、ご紹介していきたいと思います。
第7回目は、pozzo(ポッゾ)です。
深山の製品の中では数少ない、調味料を入れるためのうつわ。現行カタログからは落ちてしまったものの、現在でもレストランやホテルを中心に多くのご注文を頂く、根強い人気を誇る製品です。

イタリア語で「窪み」という意味を持つpozzo(ポッゾ)

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

pozzo(ポッゾ)を辞書で引いてみると、イタリア語で「窪み・穴・洞窟」という意味を持っている事がわかりました。また、広い意味では井戸、縦に掘削した穴をも指しているそうです。

なるほど。
pozzo(ポッゾ)を見てみると、確かにそれぞれの形状の隙間にピッタリとハマり、きちんとトレイの中に収納されています。この形状を見立てて、当時のデザイナーがこの名をつけたのかも知れません。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

pozzo(ポッゾ)のトレイは2個用、4個用、汁差し専用の3種類がございます。それぞれ、お使いになる調味料入れの形状や数に合わせてお選び頂ければと思います。
ちなみに、レストランなどの飲食店さんがいわゆる業務用としてご注文される場合は、4個セットでまとめてご注文される機会が多いです。もしかしたら、あなたのお近くのレストランのテーブルにちょこんとこのpozzo(ポッゾ)がいるかも知れません。

塩や胡椒、醤油など調味料の種類によって使い分ける

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

pozzo(ポッゾ)1つ穴(塩用)/ 3つ穴(胡椒用)
上からふりかける粉末タイプの調味料なら、こちらの1つ穴か3つ穴がおすすめです。塩用、胡椒用と商品名に記載はありますが、使いやすいほうを選んで頂いて構わないと思います。
私は塩分の摂りすぎがちょっと気になってしまうので、あえて1つ穴を使っています(笑)。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

pozzo(ポッゾ)辛子入れ
和食系や中華系のレストランで重宝されている辛子入れ。とんかつやシュウマイなど、ちょこっとつけたい時ってありますよね。いつもご注文を下さる業者さんに「そんなに辛子入れって需要あるんですか?」と聞いてみたところ、「意外とこういう縦型の入れ物がないんだよね~」との事でした。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

pozzo(ポッゾ)汁差し
手のひらにピッタリとおさまるサイズと、持ちやすい滑らかな窪みのある形状。手を滑らせる事なく、しっかりとお醤油などをかける事ができる汁差しです。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

深山の職人が細部まできめ細やかに仕上げをしておりますので、水切れもよくスッキリとお使い頂けます。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

汁差しは口が広いので、液体の調味料の入れ替えもスムーズに行うことができちゃいます。あまり長期間、こちらの汁差しに調味料を入れておくと酸化してしまう可能性もありますので、その時々でお使いになる分をこまめに補充するといいんじゃないかな、と思います。

専用のトレイとセットでお使いください

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

先述の通り、トレイの単品売りもございますので自由に組み合わせてお使いくださいね。

実はこんなにカラーがあった?幻のサンプル(画像)を発見

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

さて、今回pozzo(ポッゾ)の記事を書くにあたり過去のデータをいろいろと整理していたところ、こんな画像を発見しました。いろんな色の釉薬で作られたサンプルじゃないかな?と思います。残念ながら現物はもう残っていませんでしたので、まさに幻のpozzo(ポッゾ)となります。

カラフルなpozzo(ポッゾ)もとっても可愛いのですが、今でもご注文を頂くのは白磁ばかりです。おそらく、白い入れ物のほうが調味料そのものの色や形状を確認しやすいからではないかな…と推測します。また、飲食店で使用するにあたっては白くて綺麗なほうが清潔感もありますよね。
深山が得意としている、強くて丈夫で、美しい白磁のうつわ。その性質をうまく利用しているアイテムのひとつなんじゃないかなあ、と私は考えています。

うつわリポート「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」EP.7 pozzo(ポッゾ)

窪みのある、その柔らかなフォルムで違和感なく食卓に溶け込む、そんな調味料入れです。移し替えるのが面倒だったり、最近では小さなサイズの調味料も販売されていたりするので、昔ほどは需要はなくなってきているのかも知れません。ですが、調味料を移し替えたり、調味料入れを洗ったり。そんな手間を惜しまず、むしろその時間を楽しめるような、そんなゆとりのある生活を送ってみたいなあ、とも思いますね。

pozzo(ポッゾ)はこちらから

シリーズ連載「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」について

深山では日々、様々なうつわを製造しております。うつわと言えば、多くの方が料理を盛り付ける食器を主に思い浮かべることでしょう。ですが、深山のうつわの中には食器のようであって食器ではない、道具としてのうつわが数多く存在しています。
料理を盛り付ける以外の使い道がある事で、日々の暮らしが「ちょっと」楽しくなります。
いつまでも使い続けたい生活道具としてのうつわ、私たちの日常生活に溶け込むうつわ。そんな深山のうつわを、「暮らしを楽しむ、道具としてのうつわ。」シリーズとしてご紹介していきたいと思います。

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岐阜県瑞浪市。三市からなる美濃焼産地の中でも磁器、特に白磁の製造に特化したこの地区に深山はあります。
昭和中後期、世界の工場として欧米の洋食器ブランドの依頼に対し上質な白磁の洋食器を供給した時代に培われたものづくりの基礎。
私たちは、それら受け継いだものを基に、現代の暮らしに寄り添った丁寧な道具としての器を作っています。
製造や製品、使い勝手に関するお問い合わせなどございましたらお気軽にお問い合わせください。

Mizunami City, Gifu Prefecture.
Miyama is located in the Minoyaki producing area consists of three cities where porcelain, especially white porcelain is produced.
Foundation of manufacturing that was fostered during the middle and late period of Showa era when western style white porcelain tableware was provided, having received orders from the European and American tableware brand companies.
We are producing tableware as a gracious tool suitable for contemporary life associated with what we have inherited.
Please feel free to make inquiries to us about production, products and usability.

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