月々特集

季節に合ったおすすめのうつわやその使い方をご紹介。うつわを通してみなさんの暮らしがより楽しくなりますよう、ささやかですがお役に立てれば幸いです。

月々特集5月「新茶は香りと目で味わう。水色(すいしょく)を楽しむ白い茶器」

春の新芽に青々とした葉がつき、風にのって香りはじめた五月です。この時季になると、茶畑の新芽を摘みとって作られたお茶、すなわち新茶が出回りはじめます。新茶の魅力はフレッシュな味わいと、若々しい新芽の香り。また、新茶を飲めばその一年を無病息災で過ごせるとして、古くから縁起物としても親しまれてきました。夫婦で過ごす時間や、家族団らんのひと時に、おいしいお茶を淹れて、すがすがしい初夏の香りを楽しみましょう。

新茶の魅力

お茶の木は一年のうちに何度か茶摘みのシーズンを迎え、摘みとられた時期ごとに一番茶、二番茶と数えます。なかでも、その年の一番最初に摘みとった一番茶のなかで、新鮮な状態で出回るものを新茶と呼びます。すなわち、新茶をいただけるのは初夏のひと時だけ。四季の移ろいと自然の恵みを大切にしてきた日本人にとって、新茶はこの時季ならではの旬の味のひとつと言えます。

お茶の木は冬の低温下で栄養素を蓄えたあと、春のおだやかな気温のなかでゆっくりと成長することで、うま味・甘味のもとであるテアニンが豊富に含まれたお茶となります。日差しにさらされる時間が長くなるとテアニンの量は減少していくため、夏に摘みとられたお茶に比べて新茶はうま味・甘味が強いのです。

お気に入りの茶葉で、お茶を淹れる

基本の淹れ方で若々しい新茶の味を堪能。

ここからは、おいしいお茶の淹れ方をご紹介します。

新茶の醍醐味といえば、やはり若々しい新芽ならではのフレッシュ感と甘味。お茶は高温のお湯を注ぐと渋み成分であるタンニンが溶出するため、80度の低温でお茶の甘みを引き出します。

1.沸騰させたお湯を急須にうつし、そのまま湯呑に注ぐ。

最近では温度調節機能付きの電気ケトルを使うことで簡単に温度の設定ができますが、そうした道具を持っていなくても工夫しだいでおいしくお茶をつくることができます。一度沸かしたお湯を常温の急須や湯呑に移すと約10度ほどさがります。この原理を利用してポット→急須→湯呑と移し替えていくことでお湯を80度の温度に調節することが可能です。

2.急須に茶葉をいれる

沸かしたお湯を急須に注ぎ、そのまま湯呑に移してお湯の温度を下げます。次に急須内にお湯が残っていないことを確認し、急須に茶葉をいれます。茶葉の量はお茶の種類によって異なりますが、目安としてはお湯の量が200ml程度の場合は茶さじ2杯分、そこから100ml増えることに茶さじを1杯分増やしていきます。

3.湯呑のお湯を急須に戻す。

湯呑にうつしたお湯を急須に戻します。お湯の冷めが十分でない場合は、1分ほど待って適温に調整します。

均一の濃さになるように二つの湯呑に小分けに注いでいく。

最後に、急須が2つ以上ある場合はお茶を小分けにして少しずつ注ぎます。1つ目の湯呑に少量注いだら→2つ目の順に同じ量を注ぎ、今度は2つ目→1つ目の順番に繰り返します。お茶をこのように注ぐことで濃さを均一にし、極端に味が濃すぎたり、反対に薄すぎることを防ぐことができます。

crease(クリース)急須 白磁

使用しているクリースの急須は洋食器で使われるティーポットの技術で作られており、釉薬の均一なコーティングによって汚れを落としやすく清潔に使うことができます。磁器は吸水性が低く、においが残りにくいことから、日常的に茶器を使用する方や、いろいろなお茶を淹れる方におすすめの急須です。


お茶の味わいの変化を楽しむ。

お茶は同じ茶葉を繰り返し淹れることで風味の変化を楽しむことができます。
1煎目でお茶のうま味を味わったあとは2煎目に少し熱めのお湯を注いでみてください。お茶のきりっとした苦みが立ち、1煎目とはまた違った味わいでお茶を淹れることができます。

2煎目をおいしく淹れるコツは、1煎目のお湯を出し切ること。急須内にお湯が残っていると、茶葉から成分が抽出され続けてしまい、苦みの強いお茶になってしまいます。
使用している茶白 宝瓶急須は別名で”絞り出し”とも呼ばれる独特の構造をしており、最後の一滴までお茶を出し切ることができます。

使い方はとても簡単です。急須に茶葉とお湯を淹れたら蓋をかぶせ、そのまま傾けると蓋の隙間からお茶が抽出されます。

急須を振って最後の一滴までお茶をしっかりと出し切りましょう。

茶白 宝瓶急須 白磁

コロンとした形状が愛らしい宝瓶急須。一般的な急須に比べて一回り小さく、マグカップ1杯分の容量で淹れられます。茶こしや取っ手がない形状は洗いやすく、毎日のリフレッシュタイムにも取り入れやすい茶器です。


その日の気分で茶葉を選んで、癒しのティータイム。

日本中の茶畑で作られる新茶は、その産地や栽培方法によって味が少しずつ異なります。せっかく旬の季節ですから、色々な産地から取り寄せた茶葉をその日の気分で選んでみるのはいかがでしょう。

茶葉を選び、ポットを棚から取り出す時間。心をときめかせてくれる生活道具に出会うと、毎日のお茶の時間が何倍にも愛しく感じられるものです。

プロダクトデザイナーの小野里奈さんと開発した瑞々シリーズはどこか懐かしさを感じる佇まいが魅力的なシリーズ。生活に根差した色と形を大切にする小野里奈さんらしく、道具としての機能美と、愛らしい見た目が合わさったうつわです。

瑞々 汲み出し 青白

昔ながらの木瓜皿にお菓子を盛り付けて、くみ出し碗で季節のお茶を。おいしいお茶とお菓子は、お気に入りの茶器でティータイムを心ゆくまで楽しんで。

瑞々 ポット 青白

アンティーク風のシルエットがうつくしいmizu-mizuのポットはマグカップ2杯分、煎茶碗4杯分のお茶を淹れることができます。夫婦ふたりで過ごす休日や、家族の団らんの時間にお茶を囲んで一杯。瑞々は暮らし好きの方におすすめのシリーズです。

水色がうつくしい 白い煎茶碗

都会的な七角形の煎茶碗

お茶は茶葉の種類、淹れたときの湯音、抽出時間によって色味が少しずつ異なります。抽出されたお茶の色を水色(すいしょく)と呼び、味、香り、そして水色を見ることもお茶の楽しみ方のひとつです。
白い煎茶碗にお茶を注ぐと、色鮮やかな水色がテーブルを華やかに色づけてくれます。

七福 煎茶 白磁

七福は七角形の形でつくられた煎茶碗。すっきりと立ち上がった形に、シャープに面取りされた意匠が都会的に洗練された印象を与えます。

七福 茶たく 白磁

上から見ると煎茶碗らしい丸みを帯びており、お茶を飲むときに端からこぼれてしまう心配はありません。茶たくと合わせて、おもてなしの器としても重宝しそうです。


愛らしい白と青の煎茶碗

お茶の芳醇な香りは心と体をリラックスさせてくれる効果があるのだそう。
繊細な香りのお茶は、口の広がった煎茶碗をお試しください。口径の広がったお椀に注ぐことで、香りがより立ちやすくなります。

日染はやわらかな輪郭で縁取られたかたちと、コバルトブルーの絵付けが目を引くシリーズ。口径の広がった煎茶碗は、新茶のやわらかな香りを感じる取ることができます。

日染(ひぞめ)うつし煎茶 白磁

口の広い煎茶碗はお茶が適度に冷めて飲みやすくなるため、日染は夏向けの煎茶碗。これからの季節に取り入れやすいシリーズです。

日染(ひぞめ)小皿 まめ桜

小皿は四季をテーマにした染付の絵が描かれています。お茶請けのうつわとしてお菓子をのせるのに程よいサイズ感。

煎茶碗を重ねると、茶たくとしてもお使いいただけます。


凛とした立ち上がりがうつくしい煎茶碗

凛とした立ち上がりとやわらかな曲線が目を引く花音シリーズは、洋食器の技術をもとにつくられた和のシリーズ。
日本的な情緒を感じられる造形と、純白の白磁がお茶の水色を引き立てます。

シンプルで飽きのこない造形の花音シリーズ。深山で18年以上販売され続けている同シリーズは、無駄な要素を省いたタイムレスなデザインが魅力です。

花音 煎茶碗 白磁

柔らかい四角形の茶たくと煎茶碗の組み合わせがモダンな印象です。煎茶碗は紅茶を注いでティーボウルとしても。

花音 土瓶 白磁

土瓶はマグカップ2杯分のお茶を淹れられます。ふっくらとしたシルエットが愛らしく、友人とのティータイムにも花が咲きそうです。

茶器の贈りもの

この季節ならではの贈り物にぴったりな、涼やかな茶器のセットをご用意しました。

小さめのポットで一息。

小茶事(こさじ)茶器セット 白磁

小茶事の茶器セットは、ポットが1つ、煎茶碗が2つ入ったセットです。シリーズ名のとおりポットは少し小ぶりなサイズで、マグカップ1杯半ほどのお茶を淹れることができます。

贈りやすいコンパクトなサイズ感。

一人暮らしやご夫婦で過ごされている方にとって、丁度良い塩梅でお茶を楽しめるコンパクトな大きさ。おすすめの茶葉と合わせて、初夏の贈り物にいかがでしょうか。


【NEW】柳宗理の和食器シリーズに茶器のギフトセットが登場。

2023年に復刻した柳 和食器シリーズに茶器のセットが登場しました。

柳 和食器シリーズ 茶器セット 古白磁 染付紋・渦

かつて柳宗理が手掛けた白磁の茶器。無駄な要素をそぎ落としたシンプルモダンな形状は、現代の生活にも溶け込みます。

柳宗理がデザインした渦潮紋が目を引きます。

見た目と使い心地にこだわった上質な茶器セットは、大切な方への贈り物として。1350度の高温で焼成し、透き通るほど純白に仕上げた白磁の茶器は、華やかな門出をお祝いするにふさわしい品物です。


鮮やかな色彩がテーブルを彩る茶器セット

かさね茶器 茶器セット

まるで絵具がにじんだかのような色彩が目を引くかさね茶器は、窯の中で釉薬がひとつひとつ変化する”窯変(ようへん)”のシリーズ。

釉薬が溶け合い生まれる模様は、ひとつとして同じものはありません。

美濃の転写メーカーの協力のもと、技術開発からはじまったこの手法は他にはないユニークな印象を与えます。
華やかな見た目は、大切な記念日のお贈り物として喜ばれます。


白磁土の質感にこだわったフリーカップ

ciro(しろ)ペアカップS

2025年に発売された新シリーズのciroは、深山が得意とする白磁の素材にこだわったプロダクトです。

釉薬で描かれた線が質感の違いを生む。

さらさらとマットな表面の上に、ガラス質の釉薬で模様が描かれており、実際に手に取ると、二つの質感の違いをしっかりと感じられます。薄手につくられた素体は仄かに光を通し、ドリンクの色に合わせてカップがほんのりと色づきます。シロはこだわりの品物を贈りたい方にぴったりなシリーズです。


初夏の香りを感じさせる華やかな煎茶碗

すずね 煎茶4pcsセット 白磁・緑青磁×各2

すずねシリーズの煎茶碗セットは、初夏の贈り物にぴったりの涼やかなうつわです。

輪花の模様がはなやかな煎茶碗。

来客時のおもてなしに重宝する煎茶碗は、開店・開業祝いの定番品。涼のうつわにお祝いの気持ちを添えて、初夏の贈り物にお選びください。


白川茶のお茶を模様にした煎茶碗

茶白 朝顔形煎茶碗五色揃

岐阜県でつくられている白川の5つのお茶を模様にした煎茶碗。カクテルグラスのように広がった形は、お茶の香りを感じることができます。日本ならではの美意識を反映した茶白は、海外の方にも人気のシリーズです。

深山食器店では、ご紹介した製品以外にも初夏にぴったりな茶器をご用意しております。白磁の茶器とともに香しい新茶の季節をお楽しみください。

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岐阜県瑞浪市。三市からなる美濃焼産地の中でも磁器、特に白磁の製造に特化したこの地区に深山はあります。
昭和中後期、世界の工場として欧米の洋食器ブランドの依頼に対し上質な白磁の洋食器を供給した時代に培われたものづくりの基礎。
私たちは、それら受け継いだものを基に、現代の暮らしに寄り添った丁寧な道具としての器を作っています。
製造や製品、使い勝手に関するお問い合わせなどございましたらお気軽にお問い合わせください。

Mizunami City, Gifu Prefecture.
Miyama is located in the Minoyaki producing area consists of three cities where porcelain, especially white porcelain is produced.
Foundation of manufacturing that was fostered during the middle and late period of Showa era when western style white porcelain tableware was provided, having received orders from the European and American tableware brand companies.
We are producing tableware as a gracious tool suitable for contemporary life associated with what we have inherited.
Please feel free to make inquiries to us about production, products and usability.

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