
うつわリポート「白と青をテーマにしたsimplicityな美しさ slope cobalt(スロープ コバルト)」
ルーツは洋食器の街に伝わる白磁の器
「光にかざすと、ほのかに透き通るほど白い器。」
名だたる洋食器メーカーの下請け工場が数多く立ち並び、厳しい品質基準に適う陶磁器を生産する産地だった瑞浪市。この地に伝わる「堅牢でうつくしい白磁をつくる技術」は、輸出用食器の生産が盛んだった50年前と変わらず、今も受け継がれています。日本を代表する洋食器の街でつくられた純白の食器と、呉須のコバルトブルーを重ね合わせたslope cobaltは、かつて世界中に届けられたブルー&ホワイトの日本製食器にリスペクトを込めて、現代の暮らしに寄り添う洋食器として誕生しました。
伝統的な装飾技法“吹き墨”から着想を得たコバルトブルー

実際につくった吹き墨の試作(左)から版を起こして特殊なインクで焼き付けしたもの(右)。製品ごとに違った溶け方をするため、同じ物がひとつとしてないところが魅力です。
呉須をランダムに散らした吹き墨と呼ばれる手法は17世紀の中国が起源とされ、日本では初期の伊万里焼に使われました。単純にダミを塗るだけでは表現できない濃淡と、ぱっと散らした呉須が生み出す不規則な広がりの美しさは、日本人の好みにかなう手法であり、江戸時代には吹き墨のうつわが全国でつくられるようになります。
スロープコバルトでは呉須の青と白磁の美しさをテーマに、実際に呉須を散らした試作で版を起こし、ガラス分を多めに調合した特殊なインクを用いた窯変転写に転用しました。窯変転写は焼成時にインク同士が溶け合いながら定着し、呉須を散らしたときのような複雑な濃淡を引き出しています。
お茶の時間を豊かにする ブルー&ホワイトのティーウェア
あるがままのうつくしさにこだわったslope。シンプルな形状だからこそ、白と青の美しさが際立ちます。
伝統的な洋食器を踏襲したミニマルで無駄のないポットは、360度どこから見ても美しいバランスで装飾されています。表面に施されたインクブルーが溶け合いながらつくりあげる“景色”は、テーブルに飾られた一輪の花をイメージしてデザインされました。シンプルな見た目とは裏腹に、持ちやすい大きめのハンドルや注ぐ時に蓋がずれないように設計された口周り、お茶の葉が開きやすい幅広のシルエットなど、お茶の時間を豊かに感じられる工夫が随所に隠されています。
ふち先の薄さにこだわったティーカップは、唇に触れるノイジーな感触を可能な限り排除したなめらかな口当たりです。ティーカップではあるものの、コーヒーや日本茶など、シーンを選ばず使用できる汎用性の高い点も魅力的です。
食後の1杯をイメージしてつくられた小ぶりなカップは、満たされたお腹を刺激しない丁度良い量を想定したサイズ。ゆったりとした時間の流れに調和するように、かすかに丸みをつけたシルエットがやさしい印象を与えます。
洋食器では欠かすことのできない伝統的なオーバルプレート。そのデザインを参照してつくられた18cmオーバルプレートは、ケーキや焼き菓子を取り分けるプレートとして。少し低めに設定されたリムの立ち上がりは、カップの脚と同じ高さに設定されているため、カップ&ソーサーとしても使用できます。
取っ手のないカップは用途を限定しないフリーカップとして、幅広くお使いいただけます。コーヒーや紅茶に比べて温度の低い日本茶を淹れる湯呑として使用したり、ヨーグルトやフルーツをいれるデザートカップとしても重宝します。
日本人の食卓に合うサイズでデザインされたslopeシリーズは、日本茶・紅茶・コーヒーなど様々なお茶で使えるようにデザインされました。slopeの器を使って、豊かなお茶の時間をお楽しみください。
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岐阜県瑞浪市。三市からなる美濃焼産地の中でも磁器、特に白磁の製造に特化したこの地区に深山はあります。
昭和中後期、世界の工場として欧米の洋食器ブランドの依頼に対し上質な白磁の洋食器を供給した時代に培われたものづくりの基礎。
私たちは、それら受け継いだものを基に、現代の暮らしに寄り添った丁寧な道具としての器を作っています。
製造や製品、使い勝手に関するお問い合わせなどございましたらお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
Mizunami City, Gifu Prefecture.
Miyama is located in the Minoyaki producing area consists of three cities where porcelain, especially white porcelain is produced.
Foundation of manufacturing that was fostered during the middle and late period of Showa era when western style white porcelain tableware was provided, having received orders from the European and American tableware brand companies.
We are producing tableware as a gracious tool suitable for contemporary life associated with what we have inherited.
Please feel free to make inquiries to us about production, products and usability.